平屋の断熱性

一般的に、平屋は熱い上に寒いと言われています。もちろん全ての家がそうではありませんが、なぜなのでしょうか。ここでは、平屋の熱さや寒さの原因を探ってみたいと思います。また、平屋の熱さ寒さ対策についてもふれていますので参考にしてみてください。

平屋は熱いといわれる理由

平屋が「熱い」と言われることがあるのはなぜなのか、ここではその理由を説明いたします。

屋根の熱が伝わりやすい

平屋は、屋根からの熱が伝わりやすいと言われています。
2階建てにも3階建の家にももちろん屋根はありますが、なぜ平屋が特に熱さを感じるのか。
それは屋根の面積にあります。
一般的に平屋は2階建て3階建てよりも土地面積が広い傾向にあります。上ではなく四方にスペースを確保しているため、その分、屋根の面積も大きく、太陽の熱を吸収しやすいのです。このように屋根に吸収された熱は、次第に室内へと影響を及ぼします。

風通しの悪さ

温かい空気は上へ上へと流れていきます。これを利用すると、高低差のある2階建て3階建ての建物には、自然な大気の流れが生まれ、風通しが良くなります。
が、しかし、1階部分しかなく、高低差が少ない平屋の場合にはそうはいきません。
そのため、平屋を建てる際、そこで暮らす際には、より強く風通しを意識した設計デザインや、インテリアの配置に気を配る必要があります。特に窓や扉、玄関・勝手口の位置は重要となります。

平屋は寒いといわれる理由

平屋は「熱い」だけでなく「寒い」とも言われます。なぜ、そのような状況になってしまうのかを説明します。

日当たりが悪い

1階部分しかない平屋は、土地によっては日当たりが悪くなりがちです。
建物の周りに庭や駐車場、アプローチなどのスペースが充分にあれば採光にはさほど困らないかもしれません。
しかし、隣家との境界が近かったり、隣に高い建物があると、平屋の場合はどうしても太陽光が届きにくくなります。
特に、窓から離れている家の中心部は日光が差し込みにくい空間です。
2階建てや3階建てであれば、吹き抜けなどを活用し、1階の中心部も明るく照らすことができますが、平屋の場合は中庭を設置するなどの方法が取られることもあります。

床下からの冷気

1階建ての平屋は、屋根の面積も広ければ、その分、地面に接している床下の面積も広くなります。
そのため、床下からの冷気が伝わってきやすく、建物の造りによって底冷えすることがあります。
床が冷たいのであれば床暖房を……と考えたくなる気持ちもわかりますが、その前に大切な対策があります。
それが住宅の断熱性です。
断熱性を高めておけば、床下からの冷気もシャットダウンされるので、床暖房の設置費用や光熱費をあらかじめ抑えることができるのです。

まとめ

一口に平屋と言っても、家にはそれぞれ個性があります。
平屋は確かに熱くなったり寒くなったりしがちですが、全ての住宅がそうであるとは限りません。
そのような差が生まれるのにはさまざまな要因があるものの、断熱性や気密性が大きく影響していると考えられるのが一般的ではないでしょうか。
平屋には平屋ならではの魅力がたっぷりと詰まっています。
こうした良さを活かしつつ、設計士としっかりと相談し、きちんと熱さ寒さの対策をほどこしましょう。

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