平屋の収納は住み心地を大きく左右する重要なポイントです。ここでは、後悔しないための収納スペースの確保と便利なアイデアを紹介します。
収納スペースはどれぐらい確保すべき？
平屋では、収納スペースの確保は生活の快適さに直結します。一般的に「収納率」という概念があり、住居の床面積に対する収納スペースの割合を指します。適切な収納率は10〜15%が目安とされますが、マンションでは8〜10%、一戸建て住宅では13%程度（※）が理想的とされています。ただし、収納率が高すぎると使いにくくなる可能性があるため注意が必要です。収納率を参考にしつつ、「どこに」「何を」「どのくらい」収納するかを具体的に考えることで、より快適な住まいを実現できます。
（※）参照元：SUUMO：https://suumo.jp/yougo/s/syuunouritsu/
後悔しない「収納」スペースの作り方
必要な物のリスト化
まずは所有物をリスト化し、それぞれの収納場所を考えましょう。特に頻繁に使うものはアクセスしやすい場所に収納することが重要です。リスト化によって、不要なものを整理するきっかけにもなり、収納スペースの無駄を省けます。さらに、季節用品や緊急時に必要な物をまとめておくと、管理が容易になります。
動線を考慮する
収納場所は生活動線に合わせると使いやすさが向上します。日用品はキッチンやリビング近くに配置するのがおすすめです。バッグや上着は玄関付近に収納スペースを設けると出入りがスムーズになります。さらに、パントリーをキッチンに近い動線上に配置すれば家事効率が大幅に向上します。図面上で動線をシミュレーションすることで、使い勝手を事前に確認できます。
フレキシブルな収納
成長する家族に対応するため、収納の拡張性を考慮しましょう。移動可能な収納家具や可変式収納スペースが便利です。デッドスペースを活用して効率的な収納を確保するのも重要です。壁面にフックを設置したり、リビングや廊下に棚を設けることで収納力を高められます。また、屋根裏や床下を利用すれば限られたスペースを最大限活用可能です。これらの工夫で柔軟性が向上し、将来の変化にも対応できます。
平屋に取り入れたい収納のアイデア
ロフト・小屋裏収納
ロフトや小屋裏収納は、天井の高さを利用した収納スペースです。季節用品や使用頻度の低い物の収納に適しており、屋根裏スペースを活用することで住空間を広く使えます。また、小屋裏収納は季節外のアイテムを保管するのに便利です。お子様の遊び場や大人のワークスペースとしても活用でき、多目的に使える魅力があります。ただし、重い物や危険な物を収納する際は注意が必要です。
地下収納・半地下収納
地下や半地下の収納スペースは、食品や防災用品の保管に適切です。温度変化が少なく、保存性が高い環境を提供します。設計時に断熱対策を行うことで快適に使用できます。スキップフロアを活用した半地下収納は平屋との相性が良く、空間を有効活用可能です。キッチン近くに配置すれば非常食の保管に便利で、玄関近くならアウトドア用品や冬タイヤの収納に適しています。
パントリー
パントリーは食品だけでなく、日用品や調理器具、調理家電を効率よく収納できるスペースです。棚や収納ボックスを活用することで整理整頓が容易になり、必要な物をすぐ取り出せる利点があります。また、冷蔵庫や電子レンジをパントリー内に置けば、生活感を隠しながらスッキリとしたキッチンが実現します。さらに、まとめ買いした食料品や災害時に備えた保存食・飲料の保管にも便利で、使い勝手が非常に良い収納スペースです。
シューズクローク・土間収納
シューズクロークや土間収納は、玄関スペースを有効活用します。靴やアウトドア用品をまとめて収納でき、玄関をすっきり保てます。コートやバッグを収納すれば、急な来客時にも玄関を整然と見せることが可能です。さらに、ベビーカーや部活動の道具、ガーデニング用品を泥汚れのまま収納でき、玄関から室内への花粉やホコリの侵入も防げます。
ファミリークローゼット・ファミリークローク
ファミリークローゼットは、家族全員の衣類を一か所にまとめて収納するスペースです。洗濯動線を短縮でき、家事の効率が向上します。ランドリールームや洗面脱衣室とつなげることで、洗濯・乾燥・収納が最短で完結する動線を作れます。各部屋に個別の収納スペースを設ける必要がなくなり、居住スペースを広げることが可能です。玄関近くに設置すれば帰宅時の着替えや身支度もスムーズです。
壁面収納
壁面収納は、限られた空間を有効に使う方法です。テレビボードや書棚を組み込んだ設計は、リビングや書斎で便利です。収納力を高めるだけでなく、空間の美観も向上します。壁面全体を収納として活用することで、散らかりやすいリビングをスッキリ保てます。扉をつけて収納を隠せば生活感を抑え、見せる収納にすれば雑貨や本をディスプレイしておしゃれな空間を演出できます。
