平屋を検討するにあたって、土地の広さは何坪ぐらい必要になるのか悩む方は多いはず。ここでは、家族の人数別に必要な坪数の目安を紹介します。土地選びのポイントについてもまとめているため、平屋を建てる際の参考にしてください。
平屋に必要な坪数はどれぐらい？
平屋に必要な坪数は、家族構成やライフスタイルによって変わってきます。同じ家族構成で平屋を建てた方の事例を参考にするにしても、家族の職業や趣味、生活用品の量などによって必要な広さが変わってくるので、間取りをそっくりそのまま真似するのはおすすめしません。
家族構成や部屋数をもとに必要な広さの目安を把握し、ライフスタイルに合わせて間取りを調整することが、理想の平屋を実現するポイントです。
まずは、平屋に必要な坪数の目安を確認しましょう。
夫婦2人暮らしの場合：22～24坪
夫婦2人で暮らす平屋を建てる場合、22～24坪が目安となります。
このぐらいの広さがあれば2LDKや3LDKの間取りを検討できるので、夫婦の寝室以外の個室をプライベートスペースや書斎、室内干しスペース、収納スペースなどに活用することが可能。広すぎないコンパクトな住まいにすることで生活動線を効率化でき、普段の家事や掃除、メンテナンスも楽になります。
3人家族（夫婦と子ども1人）の場合：25～30坪
夫婦と子ども1人の3人家族の場合の平屋の平均的な坪数は、25～30坪程度です。このぐらいの広さがあれば3LDKの間取りにする余裕もあり、夫婦の寝室と子ども部屋を確保したうえで、自由に使える部屋を1室つくれます。
将来子どもが増えた際に、子ども部屋をそれぞれに用意してあげることも可能。子どもの成長に伴って荷物がどんどん増えていくので、土間収納やパントリー、ファミリークローゼットなど十分な収納スペースを確保しておくと良いでしょう。
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【27.25坪】
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4人家族（夫婦と子ども2人）の場合：30～35坪
4人家族で暮らす場合、平屋の間取りは3LDK以上あるのが理想です。
30～35坪程度の広さがあれば、夫婦の寝室と2人分の子ども部屋、そしてフリースペースを確保できます。さらに中庭をつくる余裕もあるため、日当たりが悪くなりやすい広い平屋でも光や風の通り道を確保して、明るく快適な住まいを実現することが可能。
また、中庭は外からの視線が気にならないプライベートスペースとしても活用でき、洗濯物を干したり、BBQを楽しんだりできるのも魅力です。
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1人暮らし：15～20坪
平屋で1人暮らしをする場合は、15～20坪程度の広さが目安です。LDKと寝室のみの間取りにするなら1LDK、仕事部屋や趣味の部屋などを別途設けるなら2LDKの間取りを検討すると良いでしょう。
部屋数が増えるとLDKの面積を圧迫しがちなので、バランスを考えながら計画するのがおすすめです。1人で家事をこなせるのか不安な場合は担当者と相談しながら家事がしやすい動線に設計しましょう。
平屋を建てるのに必要な土地の広さは？
土地には「建ぺい率」という制限があるので、30坪の土地を購入したからといって敷地いっぱいに平屋を建てられるわけではありません。
建ぺい率とは、その土地に対してどのぐらいの広さの建物を建てられるかを示した数値で、用途地域ごとに建築面積の上限が定められています。たとえば4人家族で暮らすために30坪の平屋を建てたい場合、建ぺい率によって約43～100坪の広さの土地が必要です。建ぺい率が50％の土地であれば、必要な土地の広さは約60坪になります。
【建ぺい率別に見る30坪の平屋を建てるのに必要な土地の広さ】
- 30％…約100坪
- 40％…約75坪
- 50％…約60坪
- 60％…約50坪
- 70％…約43坪
建物だけでなく、駐車場や庭などを設ける場合は、それらも考慮したうえで適切な広さの土地を確保しましょう。
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平屋の土地選びのポイント
ワンフロアで完結する平屋は、周囲の環境の影響を受けやすいため、土地選びが住み心地を大きく左右します。ここからは、平屋に適した土地の選び方について分かりやすくご紹介します。
ゆとりのある広さの土地を選ぶ
平屋はワンフロアで生活するため、二階建てと比べて広い土地が必要になります。建ぺい率（敷地面積に対する建築面積の割合）によっては、想定よりも小さな家しか建てられないこともあるため、事前に確認しておくことが大切です。
リビングやダイニングを広々と使いたい、部屋数を多く確保したいといった希望がある場合は、ある程度の広さがある土地を選びましょう。庭や駐車スペースも確保したいなら、さらに余裕を持っておくと安心です。
土地の形状も重要なポイントです。正方形や長方形の土地なら、間取りの自由度が高く、設計の幅も広がります。変形地や旗竿地では、制約が生じやすく、希望の間取りが叶えられなかったり、駐車スペースや採光の確保が難しくなる場合もあります。
日当たりと風通しの良さをチェックする
平屋は二階建てに比べて建物の高さが低いため、日当たりや風通しが悪くなりやすい傾向があります。とくに、周囲に2階建てやマンションが多いエリアでは、隣接する建物の影によって室内が暗くなりやすいです。
周囲を建物で囲まれていない土地や南向きの土地を選ぶと、日当たりを確保しやすくなります。ただし、南側が道路に面していると、外からの視線が気になることもあるため、外からの視線を遮る工夫が必要です。
また、風通しの良さも快適な住環境をつくる上で欠かせません。周囲の建物が密集していると風が抜けにくく、湿気がこもりやすくなります。
土地選びの失敗を避けるには、実際に現地へ行き、風の流れや周りの建物の配置を確認してみるのがおすすめ。現地を訪れる際には、朝・昼・夕と時間帯を変えて日当たりや風の流れを確認すると、実際の住み心地をイメージしやすくなります。
プライバシーを確保しやすい土地を選ぶ
平屋はすべての生活空間が1階にあるため、周囲の道路や隣家からの視線が気になりやすい傾向があります。できるだけプライバシーを守れるよう、視線を遮る工夫がしやすい土地を選ぶとよいでしょう。
住宅密集地や通行量の多い道路沿いの土地では、プライバシーを確保するための工夫が必要です。たとえば、道路や隣家からの視線が気になる場合は、窓の配置を工夫したり、フェンスや植栽で目隠しをしたりすることで、開放感を損なわずにプライバシーを守ることができます。間取りの工夫としては、コの字型やロの字型にして中庭をつくるのもおすすめです。こうすることで、外からの視線を気にせず、明るく開放的なリビング空間を実現できます。
水害リスクの少ない土地を選ぶ
平屋はすべての生活空間が1階にあるため、水害の影響を受けやすいというデメリットがあります。とくに、大雨や洪水による浸水被害には十分な注意が必要です。土地を選ぶ際には、必ず自治体が公開しているハザードマップを確認し、過去の水害履歴や浸水リスクがあるエリアではないかをチェックしましょう。
また、土地の標高や排水設備の状況も事前に調べておくと安心です。地盤が低いエリアでは、基礎を高くするなどの対策が必要になることもありますが、その分、建築コストがかさんでしまいます。土地を購入する前に、地盤の状態を確認して、安全性とコストのバランスを考えましょう。
建築の制約を確認しておく
土地には「用途地域」や「建ぺい率・容積率」といったルールがあり、それによって建てられる建物の大きさやデザインが決まります。たとえば「第一種低層住居専用地域」や「第二種低層住居専用地域」などのエリアでは、高層建築が制限されているため、周囲に高い建物が建ちにくく、日当たりや風通しのよい環境を確保しやすくなります。
また、建ぺい率が低いエリアでは、広い土地を買っても建てられる家の面積が制限されることがあります。希望する間取りが叶うかどうか、事前に確認しておくと安心です。
土地と家のバランスを考えた予算配分を！
土地にどれくらいの予算をかけるかは、家づくり全体のバランスを考えるうえで重要なポイントです。予算の大部分を土地の購入に使ってしまうと、建築費用が不足し、間取りや設備の希望を削らなければならない可能性もあります。
反対に、価格が安すぎる土地にも注意が必要です。安価な土地には、地盤が弱い、形が特殊で建築の自由度が低い、周囲の環境が良くないといった理由があることが多く、傾斜地や地盤が軟弱な土地では、造成工事や地地盤改良が必要になります。安い土地を選んだつもりが、結果的に総予算が高くなるケースもあるため、慎重に判断しましょう。
こうした失敗を防ぐには、平屋に強い工務店・ハウスメーカーと相談しながら土地探しを進めるのが安心です。平屋の設計に慣れている会社なら、「理想の間取りを叶えられるか」「十分な採光・通風を確保できるか」といったポイントを、専門家の視点で判断してくれます。さらに、限られた土地を活かした間取りの提案もしてくれるので心強いでしょう。
また、土地によっては造成工事や地盤改良が必要になることもありますが、これらの追加コストがどのくらいかかるのかを事前に知ることで、予算内で計画を進めやすくなります。
まとめ
平屋はデザインや間取りの自由度が高く、こだわりの空間を実現しやすいのが魅力です。ただ、平屋の魅力を十分に発揮するには土地選びが重要になってきます。理想の平屋を実現するためにも、家族構成に応じた坪数や必要な土地の広さなどを把握したうえで、土地を選びましょう。
初めての平屋で土地選びや間取りの設計に不安がある場合は、平屋づくりの実績が豊富な工務店やハウスメーカー、建築士事務所などに相談するのがおすすめ。平屋づくりのノウハウがある会社なら、理想の平屋をカタチにする土地選びや間取りの設計をサポートしてくれます。
