平屋にロフトを取り入れる際のポイントとメリット・デメリット

平屋のデザインや設計を考える上で、ロフトを取り入れるといったアイデアを採用するケースも少なくありません。このページでは、平屋にロフトを採用する際のポイントや、平屋でロフトを作るメリット・デメリットをまとめました。

ロフトとはどんな空間のこと？

ロフトとは「屋根裏部屋」を指す用語であり、一般的な建築スタイルとしては居室の上部の天井付近に設けられる小空間を指しています。

ロフトは2階建ての構造と異なり、あくまでも同じ階の上部に小部屋となるスペースが設けられているという形になる上、一定の条件を満たすことで居室に当たらず延床面積にも算入されないことがポイントです。

延床面積は固定資産税の金額に影響する要素であり、ロフトは上手に活用することで居住スペースを増やしつつ固定資産税を節税できる魅力的な間取りと言えます。

平屋にロフトをつくるメリット

平屋でも居住スペースを増やせる

ロフトを平屋に設けるとデッドスペースとなりがちな天井空間の一部を、居住スペースとして活用可能。2階建て構造にしなくても居住スペースを増やせるのは大きなメリットです。

節税対策になる

前述したように、ロフトは例えば以下のような条件を満たせば居室として該当せず、延床面積にも加算されません。

天井高は1.4m以下にする
ロフトの床面積は直下の階の2分の1未満に収める

つまり、平屋としての天井高を1.4m以下に抑えつつ、ロフトの床面積を2分の1未満とすることで、同じ面積の2階部屋を作るよりも固定資産税を節約できます。

なお、基準は自治体によって異なることもあるため、必ず平屋を建てるエリアの条例等を確認してください。

独自の設計デザインにこだわれる

ロフトを採用すれば空間設計とデザインに関する自由度を高め、独自性やこだわりを追求できます。

また、平屋でありながらロフトを作ることで、その部分をプライベート空間のように演出することも可能でしょう。

収納スペースなど様々な用途に使える

ロフトとして設けられた空間をどのように活用するかは、その家で暮らす人の自由です。プライベート空間として利用することはもちろん、物置スペースや収納スペースとして利用するも良し、ゲストルームとして活用するも良し、アイデア次第で様々な用途を検討できます。

平屋にロフトをつくるデメリット

基準を逸脱すると固定資産税が発生する

ロフトによって固定資産税の節約ができる理由は、あくまでもロフトが居室に当たらず、延床面積の対象外として判断されるからです。言い換えれば、ロフトとして認められる条件を逸脱してしまった場合、延床面積に算入されて固定資産税が増えてしまうため設計時点で注意しなければなりません。

天井空間が狭くなるリスク

ロフトは居住空間の頭上に広がる天井スペースの有効活用であり、言い換えればロフトを作ることでその部分だけ天井が低くなってしまうことになります。

ロフトを上手に設計することで、天井空間のメリハリを演出して吹き抜けのような印象を持たせることが可能。ただし、動線や採光についてしっかりとプランニングしなければ、狭苦しい印象の室内になってしまう恐れはあります。

上り下りが大変

ロフトへ上がるためには階段やはしごを設置しなければなりませんが、どうしても角度が急になりやすく、またロフト部分が狭いために重たい荷物などを運ぶ際には苦労するかも知れません。

ロフトを歩く際には姿勢がきつくなりやすい

ロフトは天井付近に設ける構造の上、天井高に制限があるため、大人が立って歩くといったことは困難です。そのため、通常の部屋と考えるには不自由さがあります。

平屋にロフトをつくる際の注意点

設計段階で条例に適合するように考える

ロフトを作る場合、必ず設計段階で建築基準法や自治体の定める条例等に合致するようプランニングしなければなりません。

そのため、設計の前段階として法律や条令を十分にチェックし、また設計士やデザイナーも各種条件を前提としてプランを具体化していくことが必要です。

建築コストが増えやすい

単純に平屋を建てる場合よりも、ロフトを設けることで建築コストが高くなりがちです。そのため、あまり予算に余裕のない状況で無理にロフトを採用しようとすると、結果的に他の部分でこだわりを反映できなくなったり、住環境の快適性を損なってしまったりする恐れもあります。

工期が延びる可能性

コスト面だけでなく、工期の面でもロフトを取り入れることで工事スケジュールが長くなる可能性があります。

ロフトを取り入れる場合、コストと工期の両方で余裕を考えることが大切です。

ロフトの設計・施工について実績のある業者を選ぶ

ロフトは天井空間に張り出す形で床部分が設けられるため、施工の安全性や確実性に不安があれば事故のリスクを高めます。そのため、平屋にロフトを取り入れようと考えた場合、必ず信頼できる不動産業者や工務店、建築会社などを選ぶだけでなく、実績としてロフトの設計・施工経験を有している業者を選ばなければなりません。

また、居住空間が薄暗くならないよう採光や照明に配慮したり、実生活を考えて動線をデザインしたりすることも重要です。