平屋を勾配天井にするメリット・デメリット
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注文住宅として平屋を建てるに当たって、設計のデザイン性やこだわりを重視する人の中には「勾配天井」を取り入れる人も増えているようです。このページでは、平屋に勾配天井を取り入れる上での注意点や、勾配天井のメリット・デメリットを解説します。
勾配天井は「傾斜天井」とも呼ばれる建築スタイルであり、文字通り天井に傾斜をつける設計方法の1種です。
平屋の場合、天井の上層は屋根になるため、基本的に傾斜屋根を持つデザインと勾配天井はセットとして設計されることがポイントです。また平屋の場合、大屋根を作って勾配天井の下のスペースを広く取ることで空間デザインを工夫するなど、こだわりを演出しやすいことも特徴です。
大きな切妻屋根の平屋。和の印象が強くなりすぎないように、勾配を低く設定することでモダンな雰囲気をプラスしています。自然光をたくさん取り入れられるように、東西に大きく設計しているのが特徴です。
白を基調とした内装はきれいめな印象を与えながらも、勾配天井にはチーク材、床にはくるみ材を用い、木材をふんだんに取り入れることで、温かみのあるナチュラルな空間に仕上がっています。白い空間との相性が良い、明るい色味の木材を採用している点もポイントです。
屋外まで伸びるLDKの勾配天井に、主要構造部の梁をあえて見せる「あらわし天井」を採用した半平屋の事例。
あらわし天井は、通常よりも天井が高くなるので開放感のある空間を演出できるのが魅力です。ささらに今回の事例では、勾配天井が屋外まで伸びることで外とのつながりが生まれ、空間全体をより広々と見せています。木の温もりと素材感を活かしたデザインによって、落ち着きのある癒しの空間が実現しました。
「美術館のような家にしたい!」というオーナーの要望のもと、デザインとプライバシーの両方を叶えたロの字型の平屋。
勾配のある外観の外壁には、ムラ感のある表情が特徴的なモルウォールを採用しています。さらに、勾配天井のLDKや、子どものフリースペースとしてキッチンに設けたルーバーボックス、段差のあるリビングなど、室内にもデザインのこだわりが満載。そのほかにも、室内と外の天井の色を合わせることで、LDK空間をより広々と見せる工夫もされています。
勾配天井を平屋に取り入れるメリットとして、まずは部屋の空間を広々とデザインできる点が挙げられるでしょう。屋根に傾斜があるため、天井も頂点部分へ向かうほどに高くなっており、フラットな天井よりも上層部までスペースを確保しやすいことがポイントです。
これにより平屋でも吹き抜けのように広々とした空間を演出できるようになり、そこに暮らす人が開放感を得られるといったメリットがあります。
勾配天井の高い場所に採光窓を取り付けることで、自然光を取り入れて明るい空間を演出しやすいこともメリットです。
特に平屋の場合、居住スペースが1階にしかないため、採光性を高めるためには窓の開口部を検討しなければなりません。その点、勾配天井であれば家族の動線や生活環境よりも高い場所に採光窓を設けやすく、プライバシーや居住性を重視しつつ採光性も高めることができます。
勾配天井によって空間体積を増大できる上、換気窓や空調設備を勾配天井と併用することで室内の換気効率を向上させられる点もメリットです。
平屋は部屋数を増やすに従って仕切りも増えるため、中心部の通気性が悪くなりやすいという課題がありますが、勾配天井によって高い場所に空気を循環させるアイデアを盛り込めるため快適性と利便性をセットで追求することができます。
平屋に勾配天井を取り入れるデメリットとして、最初に検討すべきはコストの問題でしょう。
一般的なフラット天井で平屋を建てるよりも、勾配天井(傾斜天井)は当然ながら建築コストが高くなり、また工期も長くなりがちです。
そのため、例えばコストを抑えつつ勾配天井を取り入れたいといった場合は、あらかじめ設計士と相談して家の一部の範囲だけに勾配天井を設けるといった工夫も検討していきましょう。
勾配天井は場所によって天井の高さが異なるため、必然的に高い場所の掃除や高い位置にある設備のメンテナンスが難しくなります。特に採光窓や換気窓を勾配天井の上部に設置している場合、窓を拭いたり、窓ガラスを交換したりといった作業はフラット天井の場合よりも困難になります。
例えば、勾配天井の換気効率を高めるためにシーリングファンを取り付けるような場合も、メンテナンスや故障時のトラブル対応についても考慮した上で設計するようにしましょう。
勾配天井によって空間体積が大きくなることで、暖房や冷房といった空調管理のコストが高くなります。加えて、勾配天井では天井裏を確保することがなく、屋根の構造部分に入れる断熱材の量も少なくなりやすい点が重要です。
これにより、勾配天井はフラット天井と比較して断熱性が低下しやすく、夏場や冬場の空調コストが一層に高くなってしまう可能性もあります。
そもそも平屋は複数階層を持つ住宅よりも断熱性が低くなりやすく、空調管理にケアが求められる設計です。そのため、勾配天井によってさらに空調管理が難しくなることへの対策として、シーリングファンを天井に設置して空気の循環性を高めて空調効率を向上させることは有効です。
ただし、上述したように勾配天井では場所によってメンテナンス性が悪くなるため、シーリングファンの取付もきちんとプランニングするようにしてください。
断熱材が少なくなりやすく、そもそも屋根や床に接している面積が多い平屋だからこそ、断熱性に優れた建材を利用することも効果的です。
断熱材の量でなく、断熱性を高められる品質にこだわった建材を選択することで、勾配天井のメリットを追求しつつ、空調管理や快適性の維持についてもケアすることができます。
ただし高断熱の建材はコスト面で高くなりやすいため、全体的なコストバランスも計算しましょう。
勾配天井は採光窓の設置によって自然光を取り入れやすい反面、室内空間が大きくなるため全体の明るさを保つ光量の必要量も大きくなり、特に悪天候時には昼までも薄暗くなりやすいといったデメリットがあります。
そこで、勾配天井を取り入れる場合は照明計画を入念に行い、照明設備の位置や量、照明装置の種類などを工夫して適切な光量を確保できるようにシミュレーションを行うことが大切です。
岐阜県内で設計から施工までを唯一(※)行う建築士事務所、グランハウス。
設計士が施主様と一緒に作り上げた設計図を、同じ理念を持った現場監督が形にする。そうやって施主様の想いをしっかり引き継いでいます。
30代の設計士が中心となり、暮らしやすさも考えた「ちょっとカッコイイ」家を提案しています。