開放的な空間を演出するうえで、吹き抜けは効果的な要素です。天井を高くすることで広々とした印象の空間に仕上がるでしょう。このページでは平屋に吹き抜けを取り入れるメリット・デメリットを紹介するので、平屋住宅づくりの参考にしてください。
吹き抜けのある平屋のメリット
高々とした天井に憧れるという人も多いのではないでしょうか。平屋に吹き抜けを設けることで、開放感や採光など様々なメリットがあります。吹き抜けのある平屋のメリットを具体的に見ていきましょう。
広々とした開放感のある家になる
吹き抜けを設けることにより、広々とした空間に演出できます。縦のスペースを活用すれば、ワンフロアの限られた面積であっても実際の空間よりも広く感じられるでしょう。天井を高くするだけで開放感が出て、オシャレな部屋作りにも役立ちます。モデルルームのような空間に憧れる方にもおすすめです。
風通しの良い空間になる
平屋の風通しを良くするためにも吹き抜けが有効です。窓を効果的に設置すると、風の通り道ができるため風通しが良くなります。また暖かい空気は非常に軽く、上部に流れやすい特性。リビングの空気が吹き抜け部分から天窓・高窓に抜けていくため、空気が循環する空間になるのです。
高い位置から採光できて
部屋全体が明るくなる
平屋に採光の工夫を施さなければ、北側の空間が暗くなってしまいます。特に密集地の平屋は通常の窓から光が差し込みにくいようです。吹き抜けを設けることで高い位置に窓を設置できるため、自然光が取り入れやすくなります。間仕切りの少ない開放感のある平屋デザインなら、吹き抜け部分から差し込まれた光によって部屋全体が明るくなるでしょう。
ロフトやスキップフロアで
居住スペースを増やせる
勾配天井にして吹き抜けを取り入れることで、平屋でもロフト・スキップフロアを設けられます。ロフトとは、天井を高くして部屋の一部を2層にしたスペース。天井高は1.4メートル以下、床面積は直下の階の1/2未満と制限されています。またスキップフロアは1つの階層に複数の高さのフロアが設けられた間取りで、1.5階とも呼ばれるスペースです。ロフトであれば収納スペースや子どもの遊び場、スキップフロアなら書斎やワークスペースなど、空間をうまく活用できます。通常の平屋にはないユニークな設計で、遊び心のある空間になるでしょう。
吹き抜けのある平屋のデメリット
メリットも数多くありますが、吹き抜けを作ることでデメリットがあるのも事実です。予めデメリットを把握しておき、対策を考えておきましょう。
夏は暑く、冬は寒いことがある
日差しが強ければ、その分部屋が暑くなる点がデメリットの一つです。春や秋の日差しはやわらかいため問題ありませんが、夏は日差しが強く、部屋が暑くなりすぎて冷房の妨げになります。また冬は暖かい空気が上に移動してしまうため、吹き抜けの上部は暖かくても、リビングは暖房がなかなか効かないことも。
空気を循環させるため、空調を工夫する必要があります。断熱性や気密性の高い素材を採用、または全館空調システムの導入などを検討するのがおすすめです。床暖房も導入すれば冬も快適に過ごせるでしょう。
音が伝わりやすく、
においもこもりやすい
天井が高い分、通常の天井よりも音が響きやすいという問題があります。テレビや子どもの声が家全体に響いて、静かな空間が確保しづらい可能性も。家族間で生活リズムが異なる場合は吹き抜けのある部屋から寝室を離したり、吹き抜けと他の部屋を廊下で仕切ったりするなど、防音に配慮した設計が必要です。
またにおいがこもりやすいので、キッチンで料理したにおいが家全体に漂ってしまう可能性もあります。換気扇やシーリングファンの位置を工夫する設置する、またはこまめに換気するなどの対策が必要です。
メンテナンスが手間になる
吹き抜けの最大のデメリットがメンテナンスの問題です。窓を設置すれば窓枠にホコリが溜まってしまうため、吹き抜け部分も掃除が必要になります。手が届きづらく、状況によっては専門業者に依頼しなければなりません。またシーリングファンをはじめ、高い天井にあるライトの交換も自分では行えないでしょう。健康な体であれば脚立に上って作業ができるかもしれませんが、高齢になればなるほど作業が苦痛になってきます。メンテナンスのことも考慮して建築士事務所や工務店に相談しましょう。
